大山猫亭玄関
大山猫亭
このプログの内容は、大山猫亭のオーディオシステム(音楽缶詰開封装置)の改造、改良を断片的に記載したものですが、これは、氷山の一角、大山猫ちゃんとは称しても、ほとんどの時間は仕事に捧げているのは、現代人、せめて、趣味の世界は、無軌道はちゃめちゃでと、自分で、自分の趣味の楽しい思い出を残したくて作ったホームページ、徒然なるままに、酒を片手に、罪のないシュールな大人の夢の世界を渉猟すると、何処も同じ、と、ほっとするものです。
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Well Tempered type tonearm 自作12006/12/01

ことの起こりは、大山猫ちゃん、音楽開封装置の改良に勤しみ、その音楽缶詰開封能力に更に磨きが掛かり、大山猫ちゃん所蔵の最難関音楽缶詰、ベニーグッドマンのカーネギーホールコンサート、これの、二枚目に収録されている、女性ボーカル、これは、大変難物で、盛大に強調されたサ行と、それこそ、缶詰を開ける缶切りの如き音がスピーカーから放出され、ドラムは、壊れたバケツを乱打状態で、猫族、大山猫ちゃんの背中の毛、実は、本当に生えていて、これが、時に、感動の時も、不快のときも、逆立つのですが、総毛立毛状態、実に、蒲鉾録音と思しき状態の高音だけ極端に持ち上げた状態、それが、音楽缶詰開封装置の改良、主に、スピーカーケーブルのMITのスピーカーケーブル(MH-750 Plus Series Three S3)に変更、更に、改造MUSICAのフォノイコライザーアンプと、インピーダンス変更型プリアンプとの接続ケーブルを瀟洒な球管アンプを制作している、オーディオンというメーカーの銀線のコネクターケーブルに変更したことにより、おそらく、ケーブルによるイコライジング、中音域のしっかりした、広帯域、右下がり平坦化が達成されたようで、CD開封に関しては、これは今のところ問題なし、その上、テクニクスのテクニクス SL1200MK4、カートリッジから昇圧トランスのCotterに至る線を外付けにして、ベルデンの二本縒り線に裸のメッシュのシールドを施した線で直接接続、これで、ベニー・グッドマンの開封も鑑賞にたえるところまではいったのですが、そこは、底知れぬ魔界の常、アームの配線を変えただけで、これだけの効果、それなら、アームそのものを換えればどうなるのかと考えるのは、これは、当然の帰結、と言うか、これは、もう、考えが頭に浮かんだだけで、欲望に変貌するのが、この魔界の常、そこで、あるとき、郊外の悪所のおじさまに、一番の御推薦のアームは如何にと、おじさま曰く、classic SME tonearm 3009、しかし、現在のテクニクスのターンテーブルに外付けするより、テクニクスを放棄して、ターンテーブルはキャビネットを自分で作って、それに、単体のターンテーブルを設え、それに、件のアームを装着するのが良いとのこと、それは良いのですが、いざ、実行に移すとなると、それこそ、顔に毛の無い猫チャンの尻尾を踏みつけて、髭を両方とも力いっぱい引っ張るようなもの、正に、無傷では済まない暴挙と言うもので、流石の大山猫ちゃんも、機会を改めて考えることに、因みに、悪所のおじさま、以前、個人的にご使用のスピーカーについては訊いたのですが、アームは何をお使いで、曰く、Well Tempered、今は、輸入もされていないし、作ってもいるのかもわからないとのお話、で、作ってみませんか、えっ、作れるのですか、実は、このアーム、亜米利加はBill Firebaugh博士の考案になる、お皿再生用音響棒、思い出しながら、悪所のおじ様が描いて下さった図、これでどうして動くの、これは、悪所のおじさまの記憶違いで、その動作理論は素晴らしく、また、実に単純で、これなら自作可能と、大山猫ちゃん、後で調べて分かるのですが、どうも、話から察するに、アームを糸で吊り下げて、何やら、アームの動きをシリコンオイルで制動するらしい、まあ、ネットで調べてみれば分かると、大山猫ちゃん、大山猫亭に帰ると早速調べてみると、これがまた、確かに理に適った仕組み、つまり、円盤を二本のテグスで吊って、その二本のテグスを二股の棒の先端に通して、そこで支える、この二股の棒は、両方にネジを切った棒によって、左右に等間隔でその股の広さを変える仕組みで、支えの部分を通ったテグスは、一方を固定、一方はネジに撒きつけて、それを撒いたり緩めたりすることにより円盤の水平、つまり、円盤の中央に立てた支柱に固定されているトーンアームのひいては、カートリッジの水平バランスをとると言う仕組み、さて、先ほどの二股はと言うと、これが、円盤に着いているテグスの捻りの力で、インサイドフォースキャンセラーを生じさせることになるわけですが、円盤を吊っている二本のテグス基部が同一点にあると、どのような捻じりに対しても元に戻ろうとする力は働かず、二本のテグスの基部が離れると捻じりに対して元に戻ろうとする力が生じ、その力の強さは二本のテグスの基部が離れれば離れるほど強くなるわけで、テグスの基部の感覚を調整する事で、捻りの力、すなわち、インサイドフォースキャンセラーの強さの調整を行うと言う巧妙な仕掛け、更に、円盤は丸い円筒形の容器の中に納めて、そこをシリコンオイルで満たすことにより、アームの動きに制動を掛ける、いや、実に面白い、この図を元に、大山猫ちゃん、実際に作ってみるにはどうすれば良いかと、これは、正に、猫に鰹節、寝ても覚めてもの恋愛状態、と言う事で、材料の検討に入るのでした。

Well Tempered type tonearm 自作22006/12/02

支柱は良いとして、一番問題になるのは、そして、もっとも重要なものはシリコンオイル、これが、手に入らなければまったく製作不可能、シリコンオイルの代わりに、磁石を使って、円盤に制動20掛けてみてはと思い立ち、円盤状の磁石、冷蔵庫等にメモを貼り付ける磁石、を使って、糸で吊って実験を、これは制動どころか、殊の外神経質な動きをすることが判明、結局、シリコンオイルが生命線、調べまくること暫し、ひょんなところにシリコンオイルが、それも、小瓶入りで、なんと、大型精密ラジコンカーのサスペンションオイルに使われており、その道の模型屋さんで入手可能、今まで、シリコンオイルに関しては、今まで、滑りやすくするためだけのものという概念しかない大山猫ちゃん、しかし、調べると、1000csとか100000csとか、どうも、サンドペーパーと一緒で、その粘度による型番があるらしいと認識、でも、当然ですけど数字の意味する所と、実際の粘度の感覚がピンと来ないと言うか、数字を見ても実感が湧かない、それで、色々調べると、オイルダンプ式トーンアーム、これがどうも、200000csらしいと言う情報を入手、それならばと、100000, 300000, 500000csの三種類を注文、これで、一応シリコンオイルは確保、次は円盤、お仕事にお出かけの時も、本来のお仕事は無意識で、五感は全て、円盤、円盤、仕事場の配電用の丸いキャップに目を留めて、これを外してしまえば、しかし、まさか、壁の配電盤のアルミキャップを外して持ち帰るわけにも行かず、傷心のうちに、御帰還、音楽缶詰開封装置に灯を入れて、ふとみると、フォノイコライザーの横に、黄金に輝く円盤が、良いものがありました、スパイク付きのインシュレーターのスパイクベース、おあつらえ向きに中心にはスパイク受けの窪みがあり、周囲にはご丁寧に、丸い穴が対角線上に無数に開けてあり、まるでお誂え、最後の難関はこれを収めて、シリコンオイルを満たす容器、お仕事にお出かけの時も、相変わらず、お仕事は無意識で、目は、獲物を探す、それこそ、本来の大山猫になりきっている大山猫ちゃん、何時もは眠っている記憶の棚を引っ掻き回して、遂に目的の目標に到達、確か在った、お仕事場の材料室に侵入、ガラクタを引っ掻き回すこと暫し、遂に見つけたのがステンレスのそれこそお誂え向きのシャーレ、普通のガラスのシャーレより半径が小さく、深さが深く、これがまた、誂えたようなもので、工作に必要な重要部品の確保は、殆ど、ゲームのアイテム探し、これだけ揃えば、後は、両ネジの二股の部分だけど、これは、野となれ山となれ、早速、構想図を描いて、製作に向けて始動、支柱部分は最初の計画では、以前加工の経験のある1A桐材を使おうと思っていたのですが、突然思い付いて、ここは、アクリルで、アームは、本来は、アルミかカーボン、しかし、ここもアクリルで、と言うことで、後は現物を見ながらと、郊外のDIYのお店へと、アクリルのコーナーで、アクリル板と角棒を求め、アームに採用しようと思っていたアクリルの丸棒は、これは、簡単に撓るため却下、ステンレスのパイプに丁度適当なものがあり、アームの部分はステンレスのパイプで作成することにした次第で、アクリル用の接着剤も求めて、ついでに、金鋸を、これは失敗でした、金鋸は良質のものを求めないと、非常に作業に難儀することを思いしらされることになるのですが、閑話休題、原理図の中に螺子にテグスを撒きつけて長さを調節する部分があるのですが、アクリルコーナーにいかにも瀟洒な、オシャレなアクリル製の螺子があるのを見つけ、これが使えるのではと、これも手に入れ、ネジに合う、タップを探すけど、流石に売っていず、まあ、その時は、穴を大きめに開けて、アクリルのナットを接着して、雌に使おうと、このあたりは大らかに、後は、カートリッジから昇圧トランスまでの配線材、Well Temperedの構造からして、動きには繊細さが求められるのは、原理図を見ると明らかで、DIYの店を後に、近所の郊外の悪所へと、悪所のおじさまに、トーンアームを作ることを報告、ついては線材を、悪所のおじさまと言うと、過去に名を馳せた音楽缶詰開封装置の名器の数々の修理の依頼が来るという、修理の達人、部品に関しては、修理用に、それこそ、宝の山状態の備蓄があり、大山猫ちゃん、時々部品を分けてもらっているのですが、今回も在りました、太さ硬さは殆ど裁縫の木綿糸、訊けば、トーンアームの中を通す為の配線材、これは、うってつけ、しかし、最後の一組で、しかも、今販売しているかも分からないもの、使っていいのですかと、流石に遠慮の大山猫ちゃん、どうぞどうぞに励まされ、実は内心うれしくてたまらない大山猫ちゃん、昇圧トランスのCotterと継ぐRCAコネクターも求めなければいけないのに、うれしさのあまり、忘れてしまって、それはまた後の話で、工具は大丈夫ですかと言う親切なお言葉に、万力と、やっぱりありました、ネジ切り用のタップをお借りして、いそいそと御帰還、大山猫亭のダイニングテーブルが工作台となり、いよいよ制作開始となるのでした。

well Tempered type tonearm 自作32006/12/03

大山猫亭のダイニングテーブルが工作台となり、切断は床に新聞紙を敷いて、まずは、支柱となるアクリルの角棒の裁断、ここで、安物買いの効果覿面、買ってきた金鋸の切れないこと切れないこと、遂に、思い余って、古い方の大工用鋸で切断を慣行、大工用鋸を出すとき、これも、依然求めた金鋸を発見、ちょっと試してみると、こちらは良質、安物に眼を奪われると、お金を失うの喩えを地で行った大山猫ちゃん、ちなみに大工用鋸、切れたは良いですが直角が出ない素人の悲しさ、これで、万力が無かったら、本当に切断するのに、途方にくれるところで、郊外の悪所のおじさまに感謝、しかし、直角が出ないと、骨組みを直角に組み上げられない、そこは、悪知恵のガラクタ箱、大山猫ちゃんの頭、最初の設計は完全無視で、実物、現物造形、幸い、アクリル接着剤は、これはもう最高、注射針様の針で流すだけで、ほぼ一分で完全接着、びくともしない、これならアクリルのタワーでも簡単に作れそう、底板のアクリル板に角材を寝かせて接着、それに、垂直に角材を立てて、つまり、切り口が直角でなくても、立てる角材が横に寝かせて底板に接着した角材と直行するように指で固定しておいて、直行に関しては当然、大工用、指しがねを使って直角を出し、指で押さえておいて、件の接着剤を流し込むと終わり、さらに、最初の横棒と平行に押えの横棒を接着、このやり方で行くと、仕上がりの美しさは別として、角材を寸法で切るときに切った面が直角でなくても良いことになり、これで、ぐっと、工作は楽に、さて、最初の構想では、支柱が二本立つ予定、そして、そこに、アクリル板を渡して、円盤を吊り下げるテグスを通す予定だったのですが、途中で小物工具を出そうと、小物工具の引き出しを開けて、大山猫ちゃんの眼が、それこそ、特上の鰹節とまたたびを同時に見つけたように輝いたのは、文房具には少しうるさい大山猫ちゃん、若かりし頃、コンパスを買うのに、さる有名デパートの高級文具売り場で求めた、ドイツ製コンパスセット、その中にデパイダー、二股の間に、両方にネジの切ってある、ダイアル付きのネジがあり、左右の足が均等に開く仕組みになっており、更に、ご丁寧に、足の先にある、針の長さを調整するためのネジ穴がそれぞれの足に、これはもう、Well Temperedの図のままで、彼のBill Firebaugh博士、the Ford Aerospace think tankの構成員、当然デバイダーは眼にする機会があったのでしょうか、正に構造はデバイダーと言うことで、これを流用、従って、支柱も一本立てばよいことに、この支柱に穴を開けて、デバイダーのつまむところを接着、更に横棒で補強、接着する前に、この横棒にタップを切って、ネジが取り付けられるように細工、と言うことで、円盤を吊り下げる部分と、テグスの調整を行う部分が完成、次に控えしが、アームの作成、ステンレスのパイプの切断から、ここでも、今回求めた金鋸、まったく歯が立たない、そこで、先ほど工具箱の中で見つけた高級金鋸の登場、何とか切れる、しかし、ステンレスは硬い、しかも、切るときにステンレスのあげる悲鳴たるや、必死で切っている大山猫ちゃんはまだしも、顔に毛のない猫チャン、歯が浮く、歯が浮くと逃げ惑う有様、何とかパイプの切断を終わり、次に穴あけ、つまり、円盤とパイプを、長いネジとナットを使って連結するわけで、円盤の方の穴あけは意外と簡単で、その上、下に貼ってあったフェルトをはがすと、回りに円周状に空いている穴は貫通しており、しかも、左右対称、つまり、この穴にテグスを結び付けるだけで、パイプを吊る部分の円形基板は完成、問題はパイプの穴あけ、相手は丸い、本当に、万力で挟まなければ、万事休すところで、パイプに、金鋸で十字に切れ目を少し入れて、ドリルを当てて、これがまた、思い出すだに、苦難の勤行、穴が開いたときには放心状態の大山猫ちゃん、力仕事はここまでと、出来上がった部品の組み立てに、件の円盤の中心に長い金属螺子をナットで固定、端っこにナットを噛まして、その上に、先ほど、決死の思い出、貫通する穴を空けた、ステンレスの棒、貫通した穴に螺子を通して、更にナットで固定、カートリッジとシェルは、まずは実験と言う事で、先月作ったと言うか、裸にしたSPU Classic Aをブチルゴムでシェルに取り付けたものを、これまた、ブチルゴムとビニールテープでステンレスのパイプに取り付けて、次はテグス、大山猫ちゃん、音楽缶詰開封装置の前がクラシックカメラ、その前は、フライフィッシング、その前に、聊か、海釣りにも手を出して、因みに、今でも釣りは殆ど漁師さん状態の仕事場のお仲間に、テグスは何が良質かと質問を、どうも、メーカーもさる事ながら東レ製が一番と、大山猫亭を探すと、僥倖、ハリス一号が、しかもなんと東レ製、流石に大山猫ちゃん、どんな趣味をする時も、例え釣れようと釣れまいと、道具は、調べ上げて一流品を、その上、何でも、何時かは使うかもと、その物持ちが良いと言うか、ため込む性格は、カラスかアライグマ、確か何処かにあったはずと、ガラクタ入れの引き出しをかさごそやると、すぐに見つかって、しかも、何と東レ製、1¢ャ、東レ製、ハリス一号をアームと連結済みの円盤に結びつけ、件のデバイダーの穴を通して二個のアクリルのネジに結んで、ネジでテグスを巻き取るように仕掛けて、これはあっさり上手く行き、ステンレスパイプの後ろに、テクニクスのアームに着いていたウエイトをつけるとテグス二本で均衡を保つやじろべー、ここで堪らず、早速レコード盤をトレースさせてみると、耳をすませば音が出る、しかし、針とレコードの接触抵抗に合わせて、カートリッジが前後へと揺れ、正にワウフラターの実演、なるほど、シリコンオイルはこの制動のためにもあるのかと納得する大山猫ちゃん、さて、後は、円盤を納めるステンレスの容器を固定して、カートリッジからの配線をして、シリコンオイルを容器に満たせば一応完成、しかし、飲まず食わずで、夜も8時、お昼過ぎから工作を始めたのですが、時の経つのは早いもので、その上、この段階で、昇圧トランスのCotterに接続するRCA端子を求めるのを忘れていたことに気付く、大山猫ちゃん、なんとなく、憔悴してきた、つまり、お腹が空いて、今日はここまでと、本来の目的のために、ダイニングテーブルを、工作代から開放する大山猫ちゃんでした。

Well Tempered type tonearm 自作42006/12/04

朝起きて、形を現した、初めての手作りアームを、ターンテーブルに当てて、さて、おき場所が、昨日の試運転は、現在使用中のアームをレコードの内周のところでリフトして行ったのですが、アームレストに納めたままでは、手作りアームを置く場所が無い、そこで、プレーヤーの隣に土台を作って、これは、DIYで角材を買って、更に、ウエイトの問題も、と言うことで、郊外のDIYの店へ、さっさと御帰還、これで土台は出来た、後は、最終仕上げ、これがまた大変、と言うのも、アームレストまで作ろうと言うことで、これが、現物合わせで、お昼抜きの突貫工事、後は、RCAジャックを付けるだけにしておこうと、カートリッジに、木綿糸と見まがうような繊細な線を半田付け、この線、被覆を取ってみると、細い、三本の銅線の縒り線、ステンレスパイプの上を、左右の信号を分けて這わせ、丁度ジョイント部分を過ぎたあたりで、たるみを持たせて、デバイダーの間を通し、支柱の最上部で四本並べて固定、これがまた、瀟洒で、彩りも、白、赤、緑、青と、アクセント、苦労した甲斐があったと言うもので、出来上がりは、ウエイトが少し不細工なと言うか、野暮ったいのを除くと、アクリルとステンレスで出来ており、お洒落、早く音を聴きたくて、工具をお返しするのと、RCAジャックを入手のために、郊外の悪所へと、しかし、間が悪い、悪所のおじさま、配達のために4時までお留守、出直して、RCAジャックを入手、大山猫亭へと御帰還で、いよいよ、配線に、RCAジャックに配線をして、終に、ステンレスの容器にオイルを満たすの儀式、100000csのオイルで良さそう、今まで神経質に動いていたアーム、落ち着きのある、おっとりとした動きに変身、いよいよ、step up trance Cotterと繋いで、ターンテーブルに載っていたのは、ワグナーの歌劇のデモ版、いや、これは、ソプラノの声がはっとするほど鮮度が良く、そこにいらっしゃる様で、これは、問題ない、後は、結線の確認と、DENONの試験レコード、左右が反転していたのは愛敬で、左右の結線を繋ぎかえると、正相、逆相も問題無し、そこで、いよいよ、本格的に、アーチー・シェップの古い録音、ベースの音が、弦がぶるんと震える音、胴の唸りまで描出、更に、シンバルもしっかりシンバルで、その上に、中音は前に出て、実に気持ち良く、大山猫ちゃん、こんなに簡単に、しかも、旨く行くとは、イタリア晩餐を頂く頃には、夜も更けて、明日から、本格的に聴こうと、幸せの内にお休みになるのでした、と、このまま終れば良いのですが、そうは問屋が卸さないで、つづき。

Well Tempered type tonearm 自作52006/12/05

さて、話がこのまま幸せに終われば問題ないのですが、そうは行かないのがこの魔界、明くる日は、ボサノバを流して、ボサノバの歌声は、茫洋と、コパカパーナの陽射しのように、大山猫ちゃん、ボサノバ発祥のお店に行った事があるのですが、それを思い出して陶然と、しかし、そのまま、居眠りの世界で、結局、お休みに、次の日、今日こそは、しっかりと、チャーリー・バードの45回転の白いレコード、チャーリー・バードのギターが弦の張りが奏でられる指に従い撓り音を出し、バスドラムは皮の張りもぴっちりと、シンバルは鳴り、空間に浮かび、内周に入って、ドラムのソロに、これは最高、何時までも聴いていたい、そのとおり、途中から、いつまでもリピート状態、最初は同じリズムのフレーズが続くので、それは、知っていたのですが、永遠に続くに至り、これはおかしい、針が、溝を越えて、元の溝に、これは大変、それからが地獄の始まりで、音が良いだけに、これは何とかしなくては、あっちでもない、こっちでもない、幸、このアームで最初に開封した、ワグナーのデモ版、B面はつるつる、ここに針を置くと、カートリッジの内側へ、あるいは外側への力の動向が、その動きで分かるわけで、試してみると、内周で、強力なインサイドフォースキャンセルが、つまり、外側へカートリッジを引っ張る力が加わっているようで、つまり、シリコンオイルの中にまします金色の円盤を吊ったテグスの捩じれ角が、アームがレコードの内周に至ると、強く捩れて来て、捻りの戻ろうとする力が強すぎるということで、レコードとアームの土台の角度を調整、そうすると、今度はウエイトが支柱に当たってしまうし、それに、このウエイト、少し見栄えが悪い、これは、改造と、大山猫ちゃんの十八番の蛇さん状態ウエイトに変更、つまり、ステンレスのアーム本体、その後端に、木の棒をねじ込み、木の棒の重みでバランスをとり、木の棒に巻き付けた鉛板を前後させて針圧を確保する仕掛け、それに、アームレスト、これも、前にあると、アームレストから外した状態で、既に、テグスの捩じれは強い状態、インサイドフォースキャンセラーの利いた状態、アームの動きの範囲を広くするために、これも後ろに移して、蛇さんの尻尾を引っかけて、つまり、支柱の後ろに移して、さて、これで、レコードとアームベースの角度に自由度が増えたと、これで、二本のテグスの捻じり強度を緩和で2ォる、調整をして、再びチャーリー・バード、クリヤーしました、これで一安心、時計を見ると午前様になっていました。
まだまだ続く、不幸な話、今日こそは、もう、音楽を楽しむだけと、次々に、ジャズのレコードを開封、今まで聞いた事の無い、ベースの音、弓で弾くベースの弦と胴の鳴りが、これが本当の楽器、こうでなくては、とすると、今までの音は何だったのと言う事で、矢張り、音楽缶詰開封装置は進化するもの、今日は、これまでと、大山猫ちゃんの大好きなレコードの一つバッシュ、心地よく聴いていたのですが、大山猫ちゃんの気持ちを汲んでか、またしても、自動的にリピートが、今日はもうしかたない、寝ようと、二階に行っては見たものの、やっぱり駄目、もう一回ダイニングに下りて、調整を、今回の理由は、製作したアームがロングアームでなく、更に、カートリッジは長軸に沿っており、支点が出来るだけレコードに近づかないと、内周に行った時にレコードの溝と針の長軸方向に結構角度が出来る事が判明、アームとカートリッジがブチルゴムとビニールテープで固定してある事を利用して、カートリッジの長軸をレコードの内側よりに角度を付けて、実に姑息的、しかし、それで何とか溝跳びをクリアー、これは、現在アメリカで販売されている、Well Tempered tonearmもその様な構造になっているのですが、一体型のヘッドシェルは内側に角度がつけてあるのは、このことだったのだと納得、今日はここまでと、お休みになるのでした。

Well Tempered type tonearm 自作62006/12/06

さて、不幸が続くと、抜本的な改良が必要になる訳で、大山猫ちゃん、アームの最終改良、多分、大抵は最終にはならないのですが、一応、抜本的に改良を行おうと、この自作のWell Tempered型のアーム、今までの実験段階での評価で、当然主役として採用の能力を有する事を確認、それで、いよいよ、カートリッジを、これも、現在、主役で活躍中のバッハ所縁のKontrapunkt b(オルトフォン)に変更、因に、Kontrapunktは対位法、Well Temperedは平均律、それに伴い、今は、シェルをブチルゴムとビニールテープで固定しているのですが、此の部分を見るに耐える物に、さて、今までの問題の原因は、この自作アーム、ストレートアームで、かつ、ショートアーム、それに、現在はシェルをブチルゴムとビニールテープで固定している関係上、ヘッドシェルの角度を付けるのにも限界があり、また、ゴムとビニールテープの性質上、じわじわとストレートに戻ってしまうわけで、善し悪しは別として、理論も別として、今流行の、ストレートショートアーム、カートリッジ取り付け部のみ内側へ振って、角度を付けて、さて、アームの首の部分をどのように加工するか、せっかくだったら、オルトフォンの格好の良いシェルをそのまま使いたいのですが、結局、シェルとアームを繋ぐ部分が、全くの無用の長物、共振、その他問題があるかもしれないけれど、ここは、今回の工作で手慣れたアクリルを使う事に、まずは、アクリルの角材を鑢で削って、ステンレスのパイプにねじ込めるように加工、これが、根気の要る仕事で、しかも、削りすぎると、全てが水の泡、現物合わせで、少しずつ削っては、パイプに当ててみて、ぴったり合うようになった所で、シェルと同じ幅の、長めのアクリル板を作って、この、角材と角度を付けて接着、なんとなく様になり満足で、次は、いよいよ、これが神経を使う、ブチルゴムとビニールテープでがんじがらめの、裸のSPU Classic Aの戒めを解いて、更に、カートリッジコードを外して、これは、本当に神経を使う、何とか、外して、次に、Kontrapunkt bを外して、まずは、カートリッジとシェルのコードを外して、いよいよ、Well Tempered型アームとCotterを繋いである、糸の如き線に接続、実に神経を使う作業で、ここを失敗すると、大変、仕事より神経を使う大山猫ちゃん、何とか繋いで、それも、根元までしっかり繋いで、ここで一息、新しく作った、アクリルのヘッドシェルに穴を空けて、Kontrapunkt bを装着、どうも、レコードとの角度が上手くとれない、穴を空け直す事二回、何とか満足の行く状態に、もうすぐ9時、まずは後片付けをして、お鍋と、お刺し身の準備、ビールで乾杯、早速、レコードを、最初の記念すべきレコードはアート・テイタム、ベン・ウエブスター、低音が足りない、超低音波動発生装置の低音が足りない、そこで、超低音波動発生装置のプリアンプとして使用している、YAMAHAの音場アンプのボリュームを上げると、超低音の音圧が鼓膜を押し、圧迫を感じる、低音が締まった、実に、締まった、これは、ハウリングが殆ど無いから、音量を上げないといけなくなったわけで、つまり、今までは、ハウリングによって、低音にポジティブ・フィードバックが掛かっており、少量の音量で、ぼわぼわとした低音が発生していたと思われ、ポジティブ・フィードバックが無くなって、始めて低音そのものが、それで、音量が必要になった次第で、ベースの胴なりも、アート・テイタムのピアノがアップライトからグランドピアノに、重心が下がって、高域は、シンバルが漂い、ピアノのタッチも軽やかに、この、アート・テイタムのピアノ、古びたクラブの安物のアップライトと言った雰囲気が漂うのですが、それが、本当はどうか知らないのですが、グランドピアノ、ベン・ウエブスターのサックスがまた、ゆったりと、深い川のうねりのように、後は、素材がゆっくりと熟成するのを待つばかりで、終に、完成となったのでした。

超低音波動発生装置72006/12/23

Well Tempered型トーンアームの完成に伴い、アナログ系に関しては、部屋の空気を揺さぶる低音の開封が可能となり、メインの音量を絞った、サロンモードの開封時にも超低音波動発生装置の音量を大音量開封時と同じレベルにすると、これが実に臨場感があり、演奏空間のうねりの中に虫の音がといった風情の開封になるのですが、と言うのも、メインの音量をゼロにして、超低音波動発生装置だけにすると、超低音成分が入っていないと思しきところでは、空気の動きだけで、おそらく、音として開封されるのは60Hz前後から、それ以上の音は全く漏れてこず、ローパスフィルターが効いた状態で、それに引き換え、現状のCD開封時の超低音波動発生装置の挙動はと言うと、人の声で言うと、男性の声はもれ聞こえるような状態、つまり、メインのスピーカーの音に被る部分が多大にあるということで、因みに、メインのスピーカーの低音開封最低周波数はおよそ70Hz弱、それで、それ以上の周波数の部分では、超低音波動発生装置の音が影響を与えるわけで、聴覚上、低域の締まりと定位、分解能が甘くなり、したがって、超低音波動発生装置のボリュームはあまり上げられないのが現状で、さて、アナログとCDのこのカットオフ周波数の差は、まず、共通のローパスフィルターが超低音波動発生装置のプリアンプとして使用しているAVプリアンプYAMAHA DSP-2000に一つ、この出力には600Hzのローカットフィルターが掛かっており、その左右独立した出力がさらに理論上おおよそ34Hzの6dBクロスのローカットフィルターを通して、超低音波発生装置駆動用パワーアンプSONY TA-N330ESと接続されているのですが、聴覚上はローカット周波数の4倍の120Hz辺りは漏れ聞こえる感じで、一方、アナログに関しては、超低音波動発生装置のプリアンプすなわちAVプリアンプYAMAHA DSP-2000への入力は改造フォノイコライザーアンプに内蔵して増設した34Hzのローパスフィルターを通した出力が入り、つまり、アナログ系には二段の6dBクロスのローパスフィルターが入っていることになる訳で、こちらはと言うと、メインのボリュームを絞って、超低音波動発生装置だけ作動させると、聴覚上は60Hz位の音までしか聞こえず、理論に就いては後から考えることにして、事実は、同じフィルターを二個入れると、どうも周波数のカットが急峻になるようで、聴覚上はクロスの二倍の周波数でカットされると言う感じ、そこで、大山猫ちゃん考えて、現在CDはと言うと、メインはCDピックアッププレーヤーからRCAケーブルで、改造47研信楽DACへ、一方、超低音波動発生装置はCDピックアッププレーヤーから、光ケーブルでD/Aコンバーター TEAC D-700に信号が渡り、アナログ信号に変更された後、超低音波動発生装置のプリアンプすなわちAVプリアンプYAMAHA DSP-2000へ、さらに、6dBクロスを経て、パワーアンプSONY TA-N330ESへ、つまり、デジタル系の経路にはローパスフィルターが一個のみ存在、アナログ同様D/Aコンバーター TEAC D-700にローパスフィルターを内臓させることも考えたのですが、もう一つ、FM放送、オープンテープデッキは、現在のところ残念ながら超低音波動発生装置の恩恵にあずかっていず、これらの諸問題を一挙に解決すべく、AVプリアンプYAMAHA DSP-2000の前段にパッシブ2chチャンネルデバイダーを挿入することを目論んで、というのも、AVプリアンプYAMAHA DSP-2000は入力を二系統持っており、現在でも、アナログ系入力とデジタル系入力を入力切替で使用しているのですが、現在のデジタル系入力の前段にパッシブチャンネルデバイダーを挿入、今回は16Hz6dBクロスでハイパスの方はインピーダンス変換型プリアンプへ結線し、ローパスの方をAVプリアンプYAMAHA DSP-2000へ結線、チャンネルデバイダーには通常はD/Aコンバーター TEAC D-700のアナログ信号を繋いで、必要に応じて、FMチューナー、あるいは、オープンテープデッキの出力を繋ぐということで、早速、ネットで、ケースとお気に入りのASCコンデンサーと抵抗を注文する大山猫ちゃんでした。過日部品が届いて、しかし、ここで迷いが生じる大山猫ちゃん、抵抗に関して、やっぱり、アーレンブラッドレーを使いたい、と言うことで、郊外の悪所へ、首尾よく抵抗を確保、虎の子の配線材を出して、まずはケースの加工と、RCA端子の装着、この辺りは、最近tonearm作成で手作業は手馴れており、難なく完了、今回は、以前フィルターを作ったとき、最初は忘れていたアースを最初に配線、内部配線も問題なく、空中配線で完了、早速繋いで、結果は如何に、経験したとおり、超低音波動発生装置からは、おそらく、カットオフ周波数の二倍、おおよそ、60Hz辺りから下の音しか出てこず、しかも、当たり前ですけど、ボリュームが上げられる、そこで副産物、今まで、FMやオープンテープデッキ再生に使っていた、インピーダンス変換型プリアンプの入力をこの、チャンネルデバイダーの入力に変更したために、プリアンプの入力を切り替えると、それだけで、両方のDACの比較視聴が可能、いずれにしても、これで、CD開封時の超低音問題も解消、低音の被らない開封音は、それこそ、怒涛のうねりの打ち寄せる海岸の岩に砕ける白波が深緑の海原と紺碧の青空に、輝き舞い踊る風情は、これはもう、音楽と言うより、音楽エネルギーの空間拡散で、大山猫亭のダイニングが音楽のエネルギーに満たされる様は、やはり、所謂ラジオとは異次元の世界と、感心する大山猫ちゃん、交響曲から、バイオリンソナタ、古典ジャズから所謂現代ジャズ、低音の分解能の良さは、ますます中高音を際立たせ、本当に、手の入れ様が無くなった感があるのでした。