フォノイコライザーアンプ制作記 1 ― 2007/12/16
ことの起りは、大山猫亭音楽缶詰開封装置に大きな変革のあった10月、オシロスコープによる検診の結果、プリアンプの調整を行い、フォノイコライザーアンプのNF型RIAAイコライザーのコンデンサーと抵抗の改造を図り、遂には、GRAYのturntable導入となり、正に大変革、その音の変化は多大なもので、11月は、殆どLP開封に明け暮れたような次第で、その間、プリアンプに追加したゲイン2倍のバッファーアンプ部の新設独立低電圧回路、心臓部のOPA627とそれに付随するVishayの抵抗、フォノイコライザーアンプのNF型イコライザーのスチコン、Vishay、A&Bの抵抗のエージングが進み、音量を上げても、音の干渉も濁りもなく、大山猫亭ダイニングルームに放出された高い分解能の音が、ダイニングルームの空間で調和し、実に生々しい音として合成され、音の要素の分解能が高いためか、音楽缶詰を開封していると、開封された音の要素が、大山猫亭のダイニングルームに日常聴かれる音と錯覚するぐらい生々しく、日を追うに従い、スピーカーからの開封音の一つ一つの音が純粋で無いと、音がうるさいと感じる、つまり付帯音の合成で出来る濁りが無くなって、それに高低の音域が延びて、音量を上げてゆくと、実際の演奏に近づいて来て、LPを開封するのが非常に楽しく、CDトランスポートはひたすら電源が入るだけで、日々を送っていたのですが、アナログ系の開封がかくも宜しいのであれば、デジタル系は如何にと、久し振りにバディー・リッチのブルース・キャラバンを開封、その炸裂が体に突き刺さるように大山猫亭のダイニングルームに放出される、ドラムの音に、暫し茫然自失、これはまた、いや実に、楽器の付帯音まではっきりと開封され、これはもう、媒体としてのスピーカーの存在なんて、全く感じさせない、それにしても、大山猫亭のスピーカー装置、長岡式D-55 with Lowther PM6A, JBL UT-045Be and 長岡式DRW with Fostex FW208Nの組み合わせ、その潜在能力は底知れぬものがあり、器機の改造を行うと、その結果を如実に表現してくれて、確かに、音圧に、バックロードホーン故の、でこぼこはあるものの、超低音を受け持つ逆相に繋いだ長岡式DRW with Fostex FW208Nがその120Hz前後を軽く補正せいて、そのまま片上がりに20Hz以下まで音圧として再生、更に、高域はLowther PM6Aが16KHz以上だら下がりの所を、JBL UT-045Beがそのまま聞こえないのでなんともいえないのですが、50KHzまで再生、と言うスピーカー群、そのスピーカー群が我を忘れて開封音をダイニングルームに放出するから、音の微妙な襞や、翳りが、あたかもそよ風に揺れる、絹織物の如く耳を撫でて行き、時には、駆け抜ける鋭い光や影のように、結局最後のクリフォードの思い出まで聴いて、これは、アナログが、帯域が狭いのでは、それに、ここまでの透明感と鋭さが無いのでは、確かに、襞と翳りの、風に揺れる夏のカーテンの感じは変わりなく再生するけど、デジタル開封時のあの強烈なほどの鮮明さと躍動感が無いのでは、早速、ウォルター・ビショップ・ジュニアのスピーク・ロウ、これのドラムのソロの部分に、実に気持ちの良い、鋭い演奏の部分があるのですが、早速、開封してみると、確かに、ハイハットの音がやや後退して、スティックが木に当たる音がまろやかで、鋭さと、陰影がややソフトフォーカス、デジタルの開封では、プリアンプも、KT66ppUL mono amplifierも、それにスピーカーまで、どのような種類の音にも、良く、追従して、開封していると思われるので、カートリッジのオルトフォンKontrapunkt bは広帯域、昇圧トランスのCotter Mk2はその音色が気に入って、これは動かす気はない、となると、フォノイコライザーアンプ、現在の状態で気になる所は、まず、電源、もともと、CSE Musica pho100はOPA2604AP、このオペアンプは2ch内蔵、それで、当然電源も左右同じ、しかし、電源は改造して、別シャーシーでとして、もともとの電源部はただの重り、さらに、三端子レギュレータも使用せず、トランジスターで定電圧回路も組まず、多種のコンデンサーを多数並列に使用、所謂裸電源で、電圧も±23Vのままで、幸いな事に、このオペアンプ±24Vまでは問題ないので、そのままとして、その後、基板とオペアンプだけそのままで、抵抗はお気に入りのVishayとA&Bに交換、NF型RIAAイコライザーのコンデンサーも郊外の悪所のおじさま推薦のスチコンに変更、それで、改造する度にその開封音は良い方向に向かい、現在の状態に至ってはいるのですが、大山猫ちゃんの妄想では、電源を左右独立させると、大概のステレオ録音では、クラシックにしろ、ジャズにしろ、大抵は、右が低音部で、左が高音部、さて、電源が左右別だと、A級動作でない限り、音圧と音量に拠って、要求される電流は異なり、左右同じ電源で電流を供給していると、一方のチャンネルが突然、多大な電力を要求した時にもう一方の電力にも当然影響が出ると思われ、それで、電源は別々の方が良いと、次に、オペアンプに関しても、一個に2ch分が同封してあるものは、確かに、オペアンプ内のクロストークン関しては、配慮がされているでしょうが、小さなオペアンプの回りに、2ch分の入出力信号や、NFB信号がひしめき合っていては、精神衛生上宜しくない、幸、このMusica pho100の基板には、OPA2604が二個装着できるようにパターンが組んであり、大山猫ちゃん、OPA2604を、既に、二個入手しているのですが、問題は、1ch分を、電力を供給したまま、未結線でおいて良いのか、それに、例えオペアンプを二個にしても、電源は単一になる、ということで、それに、プリアンプで実証済みのOPA627は1個に1ch、これを使うともっと良いと思うのですが、大山猫ちゃんがプリアンプの改造の時に求めた後、品切れ状態に、その上、このOPA627、電圧の上限が±18V、当然、定電圧回路を組まなくてはいけない、ということで、鬱々としていたのですが、今日夕餉の後、大山猫ちゃんが電気部品を調達するお店を、ネットで覗いてみると、OPA627が入手可能、さあ、心がざわめく大山猫ちゃん、顔に毛の無い猫チャンに向かって、改造と言う冒険をおかしても良いかどうか聞き始める始末、プリアンプのバッファー基板を成功させたとは言え、OPA627は高価だし、因みにチャンネル当たりで考えると、価格はOPA2604の十倍以上、当然失敗すればそれなりの損失、その上、二組定電圧回路も組まなければ行けない、それに、当然、Musica pho100の基板は使えないので、ユニバーサル基板上で組上げなくてはいけない、それに当然、オペアンプ以外の抵抗やコンデンサーは、現在の物を流用、そうすると、失敗すると、そちらも取り返しの効かない事に、心千路に乱れる大山猫ちゃん、朝起きると、やっぱり、ここはやらなきゃお年寄り、まだ、守りに入るには早いと、さて、決心したら、部品を早く頼んでおかないと、週末に間に合わないと、早速起き出して、ダイニングルームに降りると、まずは手持ちの部品の確認、定電圧用の回路を組む為のトランジスターは余っているか、ちゃんと二組、更に、15Vのツェーナーダイオードも山ほどあり、後は、抵抗と、コンデンサーを求めるだけ、結局、OPA627と抵抗、コンデンサー、基板が二枚必要かも知れないと、手持ちが一枚あるので、基板も一枚注文、注文すれば、やる気万々の大山猫ちゃんでした。
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